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2025.08.07
木下尚慈が語る「音楽があるくらし」

インドから来日したメーリ・メータ音楽院のこどもたち(2014年10月6日のブログより)

マエストローラ音楽院 創業オーナー&理事長の木下尚慈が過去に綴ったブログを再編。クラリネットを楽しみ、音楽とともに人生を歩み続ける木下のエピソードをご紹介します。

 

(2014年10月6日のブログより) 

  台風がくる前の9月下旬の晴れた日々。インドのムンバイからメーリ・メータ音楽院の子供たち19名が日本にやってきた。

 

メーリ・メータ音楽院は、大指揮者であるズービン・メータ氏の父で音楽家でもあったメーリ・メータ氏の名を冠して「インドの子供たちを早くから音楽文化に親しませ、大人たちには成長の機会を提供する」との目的で20年ぼど前に設立された財団だ。世界の優れたオーケストラや音楽家をインドに招聘したり、幼児から大人まで数百名に器楽や合唱の指導、音楽セラピー、プロ研修などを提供している組織で、今回はその中の小学生から高校生を中心に構成された、弦楽アンサンブルのメンバーが来日した。イスラエルのオーケストラでズービン・メータ氏に認められ、1年半前からこの音楽院でヴァイオリンを教えている西村美香さん(私の慶応ワグネルの後輩でもある)の発案で、高崎音楽祭での高崎市少年少女オーケストラとの共演、 代々木でのナマステ・インディアでの演奏、慶応高校ワグネル・オケ訪問での交歓演奏が実現した。

 

ナマステ・インディアでの演奏(代々木にて)

 

慶応高校ワグネル・オケ訪問での交歓演奏の様子

 

 今回の日印音楽交流実現は、テレビ朝日で長年「題名のない演奏会」プロデュースをした磯村健二さんと私の二人でお手伝いすることに(もちろん手弁当で!)。
 2~3カ月にわたるお手伝いだったのだが、日本の習慣を知らないインドの事務局の人たちへ準備連絡をし、文化の違いから生じる彼らのわがままに「それはダメ、あれもダメ」と電話で伝える日々。そして今回の来日を可能にしてくれた高崎音楽祭実行委員会や高崎市の職員の方たちとのやりとりも行い、慶応高校の先生や生徒たちとの準備作業も並行した。そのほか資金調達のためのチャリティーコンサートの開催や、ディスカバー・インディアという団体の方たちのサポートによるナマステインディアへの出演やチャリティー昼食会、資金調達努力・予算修正、宿泊やバス手配などなど……めまぐるしい連日のお手伝い。

 

 しかし、これらのちょっとした苦労も、子供たちからの“I am so excited‼” の言葉や “we are so proud of playing in the high school full orechestra.”などの喜びに溢れた感想、さらには日に日に向上する演奏内容で報われた日印文化交流であった。